06/20
Sun
2010
どうしよう、空気が重い。すごく重い。
まあ、俺自身が招いちゃった空気なんですけどね?
それにしたってここまで重くなんなくても・・・・・うん、もう何を言っても言い訳にしか聞こえないよ、俺。
俺、素敵で無敵な情報屋さん・折原臨也は
─数分前─
ピンポーン
『おや、紀田君。連絡も無しに急にど
『臨也さん。
俺、昨日誕生日だったんですけど。』
『え、・・・・・・・・・!!』
恋人の誕生日を忘れるという大失態を犯しました。
++++++++++
で、とりあえず家に上がってもらって…今に至るけど。
あー、ホントしくったなー、俺。
確かに最近仕事が立て込んでて、家にこもりっぱなしだったから、日付感覚狂ってたけど。
これはないわー、ってさすがの俺でも思うよ。
まあ、とにかく今すべき事は、
ソファーに体育座りして、膝に顔を埋めてる紀田くんに、機嫌をどう直してもらうかだよね。
「あの、紀田君。えーっと、ゴメン、ね?」
とりあえず、隣に座って素直に謝った。
紀田くんはこっちを見たが、またすぐに埋めてしまった。
・・・・どうしよう。もしかして土下座した方が良かったかな?
「あの、言い訳かもしれなんだけどさ、最近仕事が立て込んでてね?それで、」
「それで仕事に夢中になって日付感覚が無くなって、今日まですっかり忘れてたんでしょう?」
「う、ん。そうです・・・」
「・・・まぁ、どうせそんなことだろうと思いましたけどね」
そう言った紀田君はため息をつき、ようやくこっちを向いてくれた。
「反省してるんすか?」
「し、してる!いつもと違って今回はちゃんと反省してる!!」
「・・・・・・いつもの悪行にも反省してもらいたんですけどね。じゃあ、キスしてください。」
・・・・・・・・・・・・・ん?
「なんで?」
「何でって、反省してるんですよね?」
「うん。」
「じゃあ、してください、キス。」
「うん・・・・うん?いやいや、どうして反省がキスに繋がるの?」
「俺はしてほしいからです。・・・どうせ仕事のおかげでプレゼントも用意してくれてないんでしょうし?」
「!た、しかにプレゼント用意してないけど・・・それは仕事のせいじゃないし」
「は?じゃあなんなんすか?」
「それは・・・・~~~うっるさいなあ!仕事のせいだよ!」
「どっちなんすか」
うるさい!何をあげれば喜ぶか考えすぎてわけわかんなくなって結局買ってないなんて言えるわけないでしょうが!!
「・・・まあ、どっちにしろプレゼント用意してないんなら、それぐらいしてくれてもいいでしょって話ですよ。」
「・・・・・どうしてキスなの?」
「臨也さんからしてもらったことないからです。さあ、どうぞしてください?」
そういって紀田君は両手を左右に広げた。
・・・っていうかいつの間に俺ら顔だけじゃなくてちゃんと体まで向き合ってたんだろう?そしてなんで正座してんだろう?
うん、確かに俺からしたこと無いけどさー・・・いや、しようと思えばいつだってできますけどね!?
だって俺は素敵でむて(以下略)
「ねえ、なんで目ぇ開けてんの。閉じなよ。」
「いや、だって臨也さんのキス顔が見たいし。」
「君何なの?変態なの?・・・・あ、ねえアレ何?」
そう言って俺は目線を天井に向けた。
「え?何す
ちゅっ
「はい、しました。」
「え、ちょっ、卑怯だ!」
「何言ってんの。ちゃんと見てなかった紀田くんが悪いんだよ。」
「ちくしょう・・・絶対またしてもらうからな!」
「気が向いたらね~♪じゃあ、お腹すいたし、どっか食べに行こうか。どこがいい?というか、今日は誕生日のお詫びとして何でも言う事きいてあげるよ。」
「じゃあキ」
「はもうしたでしょ。他に無いの?」
「・・・・・じゃあ池袋に行きましょう。」
「え、いいの?せっかくのデートなのに?」
「ええ。・・・・牽制にもなるんで。」
「?まあ紀田君がいいならいいけど。」
君の機嫌が良くなるならどこでも良いけどね!
「臨也さん。臨也さんも誕生日は期待しててくださいね!」
「!う、ん・・・(どうしようもう終わったんだけどな・・・)」
紀田君が俺の誕生日を知ってまた機嫌が悪くなるのはまた別の話。