俺は折原臨也の事が好きだ。
だが、見ての通り俺と臨也の関係は険悪で、この恋は諦めるしかない
と、思ってた俺に突然チャンスが舞い込んできた。
偶然、臨也が襲われてる所に出くわした。
当然、俺はそいつらを殴った。臨也を助けたかった、というのもあるが、どちらかというと臨也に気易く触っていたのが気に食わなかったというのが本音だ。
キレて、殴って、そいつ等が逃げ出した、までは予想していたが、
あの臨也が俺に抱きつくとか誰が予想しただろうか。
おそらくさっきまで張り詰めてた緊張が弛んだ勢いで抱きついただけだろうが、抱きついてきたのが俺が好きな奴である臨也なら拒む理由なんかあるはずも無く、当然抱き締め返した。調子に乗って頭まで撫でた。
しばらくして、我に返り俺を突っ撥ねた時の臨也の顔は真っ赤で、テンパって口もまわらないのかあうあう言いながら逃げるように走り去って行った。
・・・・この状況は、誰だってフラグが立ったと思うわけで。
これをきっかけに臨也は俺を今までとは違う見方をするかもしんねえ、いや、つうか絶対そうだ。だったら俺は今度会った時どう接したらいいんだろう、優しくすべきか今まで通りにすべきかこの事を持ち出すべきか止めるべきか・・・・とか、あれから俺はずっ・・・・と考えた
のに、
なんで
「やあ、シズちゃん!相変わらず暴れん坊だね君は。そんなんだから君はバケモノなんて呼ばれちゃうんだよ~?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
なんでこいつはこんなに元気なんだろう・・・・・・・
「・・・・・・・いざやくんよお、すげえ元気そうにしてんじゃねーか。この間と違って。」
「この間?・・・ああ!あれね!やー、あの時は助かったよシズちゃん!君にも気まぐれとかあるんだねえ~。でも生憎だけど、俺、貸し借りとか何とも思って無いから!っていうかそもそも君が勝手にやっただけで、俺は別に頼んでないし?まあシズちゃんは俺がそういう奴だって分かってるとは思うけどね。あれえ?もしかして俺が感謝するかもって期待してた?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
う ぜ え
毎回思うが、なんで俺はこんなノミ蟲を好きなんだろう・・・
それはともかく、マジでこいつはこの間の事を気にしてねえみたいだな。
「おやあ?珍しいね、シズちゃんが俺に怒鳴らないなんて・・・・気持ち悪い♪」
「・・・・・・・・・はぁー・・・」
「!?ちょっと!なんでため息つかれなきゃなんないのさ!」
仕方ねえ。こうなったら、強行突破だ。
「ちょっと来い。」
「は?え、痛っ・・・・ちょっと何!?引っ張らないでよ!」
無理やり引っ張って連れてきたのは人通りの少ない路地裏。
人目を気にしてやっただけでも感謝してもらいたい。
「もう!なんなのさ急にこんな所に連れだして!」
「・・・・手前はどうせあれは『その場の勢い』で片付けたのかもしんねえけどな、」
「はあ?何言っ・・・!?」
もう忘れたなら、忘れるつもりなら、
俺は、
「・・・・なあ、」
「シっ!?シズちゃ、」
「手前は俺にこうやって抱き締められても、何にも感じねえの?」
俺は何度でも何度でもこうやって無理矢理にでも思い出させてやる。
「えっ、かっ、かかか感じる、って・・・?」
「え・・・・・・・と、その、ど、どきどきするとかだよ!」
「嫌とは思わないのか?」なんて最初から聞くつもりはなかった。
意地っ張りのこいつの事だ。そう聞いたら絶対「嫌に決まってるだろ!」と返ってくるに決まってる。
「なあ、どうなんだよ・・・?」
「どうって、その・・・」
臨也はあの時と同じで
口がまわらず、顔が赤く、なにより俺にくっつくわけでもないが、離れようともしなかった。
そんな態度をされたら、誰だって、
「なあ、臨也。手前は俺の事、
「臨也!!」
・・・・・・あ?」
突然臨也の名前が大通り側から聞こえて、思わず2人してそっちを見たら、そこには長い黒髪の女の人が仁王立ちしていた。
と、目が合った途端、こちらにカツカツと音を鳴らしながら近づいてきた。
「波江、さん・・・?」
「あぁ?手前の知り合いか?」
「え、あ、その、俺の秘、」
ぎゅう
「しょ・・・・え、えええ!?何!?どうしたの波江さん!」
「おっ、おいアンタ何なんだよ急に!」
後ろからとはいえ、何でそんな簡単に臨也に抱きついてんだこの女は!
俺がここまでくるのにどれだけ・・・!つうか何でこの女まで今する必要があるんだよ!
あと前から俺、後ろからこの女で臨也を挟んでるっていうこの状況なんだこれ!
「ななななな、波、」
「・・・・ねえ臨也、私に『急に』『突然』抱きつかれてドキドキしなかった?」
「ふぇ?」
「おい、今俺が、」
「どうなの?」
こ の 女・・・・!
俺をガン無視するとかいい度胸じゃねえかあああ!!
「どう、って・・・その、まあビックリしたよ。そりゃ。」
「ビックリしてドキドキした?」
「え?うん、まあ・・・だって波江さんがそんな事してくるなんて夢にも思わないし、」
「じゃあ静雄は?静雄に抱きつかれるなんて想像できた?」
「おい勝手に呼捨てすんな!」
「そ、そんなのできるわけないだろ!」
「それよ」
「「へっ?」」
「今臨也自身がドキドキしてると思うなら、それは突然抱きつかれてビックリしたからよ!」
な・・・・
「なんだってー!?・・・はっ、でもそうか!そうだね流石波江さん!俺納得したよ!!」
「はあ!?臨也手前それマジで言ってんのか!?」
「は?マジに決まってるだろ!だってそれ以外に考えられないじゃん!そうか俺、あり得ない事が起きてビックリしたからドキドキしたんだ!」
「・・・・・・・・・はぁー・・・」
「!?ちょっと!なんでため息つかれなきゃなんないのさ!」
こいつ、自分の事に関してこんなに馬鹿だったのかよ・・・
いや、それよりよりもまず
「納得した?それじゃあさっさと仕事に行くわよ。四木さんをお待たせするつもり?」
「あっそうだった!じゃあねシズちゃん!死んで!」
「うるせえ手前が死ね!」
「それでは御機嫌よう、『平和島さん』。次回も精々頑張ってくださいね?」
「ぐ・・・・・!」
「ちょ、ひどい波江さん!なんでシズちゃんなんかの応援すんの!」
「あんたの味方なんて死んでもごめんだわ」
「ひどい!」
完ッ璧な営業スマイルで嫌味を言って、尚且つさりげなく臨也の手を引いて人ごみに消えて行ったあの女をどうにかしねえと・・・・!
「ちくしょう・・・・俺は絶対諦めねえからなーーーーっ!!」
平和島静雄 、フラグ回収失敗(正確にはへし折られました)
鈍感臨也さんが好きです。(ただの告白)
結果、静雄さんには結構頑張ってもらう事になりましたwww
こ、こんな感じで良かったでしょうか・・・!
大分趣味に走ってしまってすいませんんんん!
リテイクは常時受け付けておりますので!
リクエストありがとうございました!!
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