07/07
Wed
2010
俺は今の『特別』は嫌いじゃない。
嫌いじゃないけど──────
「さーさーのーはーさーらさらー」
「サイケ、その歌なに?」
「あっ津軽!あのねえ、いざやくんが教えてくれたの。今日の歌なんだよ!」
にこっと笑うサイケはすごく可愛い。
今日・・・ああ、今日はたしか
「そういえば今日は七夕だな。・・・って今朝静雄が言ってたな」
「えっ、津軽知ってたの?っていうかシズちゃんも知ってたんだっていひゃい!いひゃいよちゅがゆ!!」
「静雄バカにすんな。いくらサイケでも怒るぞ。」
「ひゃい。ひゅみましぇんでひた。」
「よし。」
「ひゃ~、痛かった・・・」
あ、やべちょっと強めにほっぺを抓ったかもしれない。少し赤くなってる。
可愛い・・じゃなくて痛そうだけど謝んねえぞ。今のはサイケが悪い。
「じ、じゃあさ!じゃあさ!七夕のお話知ってる!?」
「あー、確か織姫と彦星っつー奴が1年のうち今日だけ会える日なんだよな?」
「なんだぁ、知ってたの・・・おれが津軽に教えたかったのになぁ・・・」
「す、すまん・・・」
「え、何で謝るの?」
「え・・・なんとなく?」
「え~?変なの~」
ふふっ、といつもの笑顔に戻ったサイケを見て、ああ俺は一瞬でもサイケにあんな顔させたから謝ったんだなぁ、と思った。
「かわいそうだよねぇ。せっかく結婚したのに離れ離れになっちゃうなんて。」
「え、あの2人って恋人同士じゃないのか?」
「違うよ~!あの2人は夫婦なの!神様はね、2人の結婚は許してくれたんだけど、2人とも結婚したらずーっとラブラブしてて仕事しなくなっちゃったから、神様が怒って2人を離れ離れにしちゃったんだよ!」
っていざやくんが言ってました!
と得意気に言うサイケはすごく可愛い。
サイケと同じ顔した臨也も時々こんな顔するけど、静雄は「ウゼエ」って言う。何でだろう・・・かわいいのに。
まあ、サイケの方が可愛いけど。
「おれだったら、やだなあ・・・1年に1回しか会えないとかありえないよ!っていうか、むしろ1日でも会えない日があったらイヤ!」
「ああ、まあ1年に1回は無いよな・・・しかも雨降ったら会えないんだろ?」
「そうだよ!ああ~、おれいざやくんとそんなことになったら死んじゃうよ!!」
「・・・・・・・・・」
・・・まあ、わかってたけど。
サイケの1番は臨也だもんな。うん、よくしってるよ・・・
「あ、でも津軽がいればおれがんばれるよ!」
「・・・え?」
「だからあ!もしいざやくんと離れ離れになっても、津軽がそばにいてくれたらおれがんばれるよ!って言ったの!だから、