01/19
Wed
2011
訂正。
俺はどうやら『オンナノコ至上主義』じゃなくて、『カワイイコ至上主義』だったようだ。
「いざやくーん?そろそろお酒飲むの止めない?」
「やだー!もっと飲むー!飲めるー!!」
あー・・失敗した。
俯いてるその姿が、すごくしおらしく見えて、思わず声かけたら、
「俺、男だけど。」
って、まさかの返事が返ってきて、でもその悲しそうな顔がなんかほっとけなくて、『まー、男でも可愛い顔してるからいっか!』とかそんな軽い気持ちで飲みに誘ったら、
まさかこんなベロベロになるまで酔われるとは。
いやー・・・初対面相手にここまで酔うとかどうなの?
まあ、最初から無茶な飲み方してた、『いざや』くんを止めなかった俺も俺だけど。
・・・だけどねぇ、なんか、あの飲み方とか表情見る限り・・・
「・・・いざやくんさー、さっき声かけたとき、悲しそうな顔してたけど、嫌なことでもあったの?」
「え~?ヤなこと・・・あった!すっごいヤなことあった!!」
あー・・・やっぱり。
「何ー?言ってみなよ。言ったら案外楽になるよー?」
「・・・シズちゃん、俺よりも仕事が大事なんだって!恋人の俺よりも格好いい上司とか可愛い後輩の方が大好きなんだって!」
「うわ、何ソレ、ひっでえ、な・・・・」
・・・・いやいや、何言ってんだ俺。
いざやくん、男だよ?で、いざやくんの恋人、っていうんだから、その『シズちゃん』は俺の大好きな女の子に決まってる。
なのに、どうして俺は今いざやくんの肩持った?
「・・・ふーんだ、どうせ俺は皆から嫌われてますよーだ。人気者の、超モテモテのシズちゃんとはつりあいませんよーだ。」
「そうなの?でも俺結構いざやくん好きだよー?」
あー、やべえなこれ。俺も結構酔いが回ってるんだな。男相手にそんなこと言うなんて。
ましてや、
「・・・ねー、いざやくん。」
「んー?」
「そんなシズちゃんなんかやめて、俺と、」
「臨也!」
「あ?・・・・静雄?」
「あ、お前・・・六条?なんでこいつと一緒にいるんだよ?」
「・・・・別に、たまたま、だよ。たーまーたーま!」
っていうかさぁ、何、何でこのタイミングで静雄が来んの?
・・・・あれ?しず・・・ってもしかして
「オイ臨也、帰るぞ。」
「んー?あれぇ、シズちゃん?やーだよ!シズちゃんとは、俺が1番好きって言ってくれない人は一緒に帰りませーん!大好きなトムさん達と一緒に帰ればぁー?」
「バーカ、1番も何も、俺が好きなのは、手前だけだっつうの。」
「・・・・ほんと?」
「当たり前だ。さっきは悪かったな。ようやく仕事終わったから迎えに来たんだ。・・・許してくれるか?」
「うーん・・・おウチ帰ってからいっぱい甘えさせてくれるなら許してあげる。」
「よしきた。」
・・・・・うわー、何この置いてけぼり感。いざやくんもさあー、静雄来た途端そんな可愛い顔するとか酷くない?
あー、でもあれか。静雄が相手なら、
「じゃあな、六条。・・・ああ、あと、言っておくけど、コイツ俺のだから。」
「ふーん。・・・でもそれ、『今は』だろ?」
「・・・あ゛?」
「ん、何?別に何も言ってないけど?バカップルはさっさと帰ってくださーい。」
「うっせえ」
まー、いざやくんがあんな幸せそうにくっついて帰るなら、今は何もしないであげますよ。
今、は。
相手が、静雄だと、男だと分かった以上、罪悪感なんて吹っ飛んだ。
「相手が男なら、別に容赦しなくてもいいんだよな?」
俺なら何よりも君を優先するよ?
第2弾はろっちーでした!
予想以上に長くなって、書いた本人が1番驚いたっていう・・・←
六臨は遊び→本気、的な流れになると大変萌えます。