いざやくん家におれと津軽が・・・あ、あとシズちゃんが来て1週間目のこの日。
最強の敵が、あらわれました。
「ふあ~・・・・ひーまーひーまーひーまー!」
「うるさいサイケ。静かにしろ。」
「だってぇー」
「仕方ないだろ。『臨也のお願い』、だ。」
「・・・・へへっ、じゃあしょうがないなあ~」
「だよな~。」
「オイ手前等、その会話何回するつもりだ。」
「うっるさいなあ、シズちゃん!もうそれだけがたよりなの!じゃなきゃおれもうたいくつすぎて死にそうなの!」
「静雄もどうせやる事無いんだろ?だったら俺達と一緒に喜びに浸ればいい。」
「喜ぶ事なんて1個も無えだろうが!!」
「「しーーーーーっ!!」」
「っ!・・・・・・チッ」
今、おれと津軽とシズちゃんはしんしつで大人しくしてる。
なぜなら、けさ、いざやくんに『お願い』されたから。
「ごめんね。ちょっと緊急の仕事が入っちゃって、今から助手が来るから、ちょっとだけ隠れてて!お願い!あ、シズちゃんも何処にも行く用事が無いなら隠れてて!」
ふだん、いざやくんがお仕事の時、おれたちはしんらせんせーのお家にいる。シズちゃんはもちろん自分のお仕事にいってる。
まえに、お昼ごはんのお世話とかしたいし、おれたちもいざやくんのお仕事のお手伝いできるよ!と言ったことあるんだけど、「ありがとう。でも波江さんが効率良く働いてくれるから、サイケ達の手伝いは大丈夫」と言われちゃった。
そこまで言われてやっぱり気になるのは、
「ねえ、『なみえ』ってどんな人なのかな?」
「さあ・・・名前からして女の人だとは分かるな。」
「・・・・・・・・・・・」
「そうだねえ・・・でもさー、どうしておれたちを紹介してくれないのかな?」
「・・・・・・したくない、とか?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「したくない?えー!なんでえー?」
「俺等紹介して、彼女が『居てもいい』って言われたら、困る・・・とか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「えっ、それって、2人きりの時間をおれたちにじゃまされたくないってこと?いざやくんは『なみえ』を独占したいってこと?えっ、えっ、それってつまり、『なみえ』はいざやくんの恋」
バキィ!!!
「・・・・・シズちゃん、その電気スタンド、いざやくんのお気に入りだよ。」
「えっ、あ・・・・・チッ」
あーあ、すごい拉げちゃってる。いざやくんにおっこられるー♪
あ!後で、おれと津軽じゃないからね!ってしっかり言っておかないと!いざやくん、時々まちがえるからな~・・・・まあ、おれたちもときどき・・・・物をこわしちゃったりするけど。
シズちゃんはこわした電気スタンドをていねいに置いて、ドアに向かって行った。
お、えらーい、シズちゃんにしては珍しく自己しんこ・・・・・・え、
「ち、ちょっと待ってシズちゃん!ダメだよまだでたら!!いざやくんに『お願い』されたでしょ!?」
「俺は『お願い』されてねえ。もちろん命令なら聞く気はねえ。」
あ、確かにシズちゃんには言ってなかった・・・・かも?いやいやでも、いざやくん困っちゃうよ!
「まあ、確かに静雄には言って無かったな。」
「津軽!?」
「だろ。つー事で。いーーーざーーーやーーー!!手前、いつまでここに閉じ込めるきだコラァ!!」
「うわー!何で1番面倒くさい奴が出てきてんだよバカあ!!」
あーあ、出ちゃった。
思わず津軽の顔を見る。・・・・うわあ、なにそのかお。
「津軽・・・もしかしてわざと?」
「何が?静雄が、勝手に、出てっただけだ。俺もお前も何もしてない。そうだろ?」
「・・・・・・・・・・うん!そだね!」
そっかそっか!これはぜーんぶシズちゃんが悪いんだよねっ!
おれたちはちゃんといざやくんの言うことまもってたのに、シズちゃんがかってに出てっちゃうから、
だから、おれたちはシズちゃんをつかまえるために部屋から出たんだよね!
「もー、シズちゃんダメだよー!いざやくん困っちゃうでしょ!」
「そうだぞ、臨也を困らせるな。」
「なーにがダメだよ、だ!そんな顔で言っても説得力ねえんだよ!俺をダシに使いやがって!」
「「エーナンノコトー?」」
「白々しいんだよ!!」
「うるっさい!勝手に出てきたシズちゃんも、止めなかった君達も皆悪い!何で仕事の邪魔すんの!」
「さ、サイケは止めたもん!だけどシズちゃんと津軽が、」
「言い訳無用!」
う、いざやくんすっごい怒ってる・・・おれはいちおう止めたのに。津軽のせいだ!
「臨也、そんな所で油売ってないで、早く仕事終わらせるわよ。」
「波江さん・・・」
出た!噂の『なみえ』!
かみとか顔とかスタイルとか全部キレイな人だなあ~・・・ふーん・・・・・や、っぱり、
「い、いざやくん・・・・もしかして、さ、」
「・・・・・その彼女と付き合ってる、のか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「えええ!?何言ってるの!?彼女はただの助手!!ねえ、波江さん!」
「・・・・まあ、そうね。」
なんだそっか・・・そっかそっかあ!
だよねえ!おれたち・・・っていうかおれがいるのに、『彼女』なんて必要ないよねえ!!
「でも波江さん、他人がいたら集中出来ないって言ったじゃないか。だからサイケ達にいつも新羅の家に行ってもらってんのに。」
「別に今日は緊急とはいえ、すぐ終わる仕事だもの。それぐらいの集中力はあるわよ。あなたと違ってね。」
「ちょっと、それ俺には集中力が無いって言ってる?」
「無いでしょ実際。すぐ飽きてどっか行くじゃない。」
「ぐ・・・」
「すぐ飽きちゃったり・・・・ああ、あと野菜も食べれないとかもうまるで子供よね。」
「ひどい!っていうか野菜に関してはこの間ちゃんと食べてただろ!」
「「「・・・・・・・・」」」
なんか・・・・
なんかなんかなんか!
なんかああああ!
「いざやくん!」
「うえっ!?」
「もうお昼だよ!サイケお昼ごはん作ったげるね!すぐ、今すぐできるからもうお仕事止めて!」
「そ・・・そう!俺も手伝うから、本当にすぐ出来るぞ!だからもう仕事終わりな!!」
「ああ・・うん、わかった・・・あ、波江さんも良かったら食べてったら?」
「「「!!」」」
さそうの!?さそっちゃうの!?
う、でもさすがにここでヤダとか言ったら、いざやくんに嫌われちゃうだろうし・・・
「・・・・・悪いけど、今日は遠慮させてもらうわ。仕事も大体終わったし・・・後はあなた一人で出来るでしょ?」
「「「!」」」
「え・・・まあ大体終わってるし、いいけど・・・・今日は急に呼びだして悪かったね。また明日もよろしく頼むよ。」
「それはともかく休日出勤としてちゃんと出してよね。」
「はいはい、分かってまーす。」
なんだ、帰るんだ・・・・じゃあしょうがないね!ざんねんだけど、なみえさんが帰りたがるならしょうがないよね!
しょうがないからげんかんまで送ってあげようかな!と思ったその時、
なみえさんがいざやくんのほっぺに手をそえて・・・手を!?
「明日からはちゃんと2人っきりにしてね・・・?」
あ、こ の 女
「はいはい。じゃあまた明日ね。」
「ええ。」
「お疲れー。・・・ふー、なんだか急激にお腹へってきちゃったな!サイケ、今日のおひる、」
ちゅっ!
「な・・・・にしてんの急に!」
「しょうどく!」
「はあ!?なんで頬にキスすんのが消毒なの!?」
「津軽!早くごはん作ろ!」
「ああ・・・臨也、お前はもうちょっと気をつけないとだめだぞ。」
「は?気をつけるってな、」
ちゅ
「消毒、な。」
「なに・・・だからなんなんだよお前らああああ!!」
「・・・・なんで津軽まですんの」
「手前のだけで消毒になるわけねえだろ。」
「ふーんだ!」
まったく!なんなのあの人!
あのヒト、おれたちがいざやくんのことが大好きってわかってて、あんなことした!
色々いざやくんのこと知ってる風だったけど、おれだって色々知っ・・・・・・今はまだまだかも知れないけど!これから知っていくんだからっ!!
あのヒトよりも、津軽よりも、もちろんシズちゃんよりも
おれの方が全然いざやくん大好きなんだからねっ!!
「もー・・消毒とか訳わかんない・・・ん?何さシズちゃん」
「いや・・・・」
ゴシゴシ
「んっ・・・ちょっ、シズちゃんまで何!?ちょっと!強く擦らないで!痛い!!」
「よし。飯なんだろ。早く行くぞ。」
「は・・・・はあああああああ!?」
波江さん参戦!・・・してたでしょうか!?
臨也総受主義としては、書くのすごく楽しかったですー!^^
あ、でも気に入らなければリテイクいつでも受け付けますので!!
マツリ様、リクエストありがとうございました!
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