臨也が、研究者や国から狙われている静雄を守るためにマフィア系に自身を売った事を、
新羅か帝人辺りに聞き、臨也奪還の為に静雄が頑張る話
今回は静雄サイド!
いつも心のどこかで、
何を考えてるか分からない臨也は、いつか勝手に消えてしまうんじゃないかと思っていた。
俺はそれがとても───────
何で何で何で。
自分でもどこに向かって走ってるのか分からない。それぐらい、探すのに必死だった。
臨也を、探す事に。
臨也とのやり取りがあった直後、新羅から電話がかかってきた。
『静雄どうしよう!臨也が、臨也が!!』
「おい、どうしたんだよ。落ち着けよ。臨也?臨也なら今、」
『・・・・臨也がある組織に自身を売ったらしいんだ。』
「・・・・は、」
一瞬、何言ってんのかわからなかった。だって、ありえなさ過ぎる話だ。
アイツが自分を売った?何の、
「何の、為に?」
『・・・あの臨也がそんな事をしたのは──────』
クッソ、マジでふざんけんなよあの野郎!
そうだ、そもそもさっきまでのやりとりも何かおかしかったのだ。
何か、と具体的には分からない。けど、確実に違和感があったのだ。
「ねえ、シズちゃん!俺の事好き?」
ぞくっ、とした。
何で、急にそんな事いいだしたんだよ。
俺達は今まで散々死ね殺すと言ってきた。・・・『嫌い』だって散々言われた。
だからそんな事を、「好きか」なんて聞かれる事なんて今まで無かったのだ。
だから、
だからぞくってしたのは、そんな事今まで言われた事無かったからだよな?
それだけ、だよな?
「あぁ?手前、急に何言って、」
「俺はねえ、大っ嫌い!!」
いつもの台詞。知ってる、手前がどれだけ俺を嫌いか知ってる。
いつもは少しどこかが痛くなるだけなのに。
今日はそんな痛みよりも、そのゾクソクが治まらないのが気になった。
なあ、お前今何考えてんだよ。
なんで、
そんな苦しそうな顔してるんだよ。
「じゃあね!バイバイシズちゃん♪」
「おいっ、臨也!?待てよ!!」
あそこであいつの手を掴んでいれば、もしかしたら・・・・
いや、今からとっ捕まえればいいだけの話だ。
なあ、臨也。手前、一体何したいんだよ。いつもの事だけど今回は余計にわけわかんねえよ。
なあ、そんなわけわかんねえ事すんなよ。
今まで通りでいろよ。、
俺を見つけて。
俺に嫌がらせをふっかけて。
俺から笑いながら逃げて。
それには好意なんて1ミリも無いけれど。それでもいいから。
だから、
ずっと池袋(ココ)にいろよ。
俺は、お前がいなくなるのが1番嫌なんだ。怖いんだ。
(いた・・・・!)
ようやく見つけた臨也は、ちょうど車に乗ろうとしてる所だった。
散々待たせておいて続くとか・・・・!!
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