04/18
Sun
2010
何だコレ。
岸谷新羅が、屋上に入って、まず思ったのはそれだった。
昼休み。その時間は来神学園唯一の平穏な時間といえる時間だった。
なぜなら、その時間に限り、学園一、というか池袋一有名なあの2人が何事も起こさないからだ。
しかもなぜか友人を交えているとはいえ、屋上で一緒に食べているという。
やっぱりあの2人も食が絡むと大人しくなるんだな、とか
いつもそんな風に大人しくなってくんねえかな、とか
周りの先生・生徒は皆思ってはいるが、生憎指摘できる者は誰もいなかった。
で、今日も例に漏れず平穏な昼休みも終わりに近づいた頃。
新羅は屋上に向かっていた。
「まったくさぁ・・・委員会の集まりを昼休みにするとかありえないよね、ホント。」
おかげで、今日のセルティの手料理が臨也達に自慢できなかったじゃないか!
ちなみにそれはいつもやっているのだが、3人ともまともに聞いたためしはない。
・・・ま、それはともかく。轟音が聞こえないって事は、今日も大人しくしてるみたいだね。
まぁ、門田君がいるから成り立ってんだろうけどね。
「門田君、おつかれー。2人いっぺんの子守りは大変だったで・・・・・しょ?」
で、冒頭に戻るのだか。
新羅が見たのは、フェンスに寄りかかり、仲よさそうに横並びしている問題児2人だった。
・・・いやいや、まさか。あの、アレじゃない?いわゆる2人のそっくりs
「あ、新羅!ちょっ、早く来い!!」
「・・・・・・・・・・」
その声は確実に静雄の声だった。
近づいてみると臨也は眠っているようだった。・・・しかも静雄の肩に寄りかかって。
「お前、おっせーよ!何やってたんだよ!?」
しかも一応臨也に気をつかってか、心なしか小声になっていた。
「あー、ごめん、委員会だったんだよね。・・・・・ねぇこれ何がどうしてそうなったの?」
「あ~・・・飯食って、しばらくボーっとしてたらこうなった。」
「うん、それ省略しずぎだね。」
話をもう少し長くすると。
門田も別の委員会で来れなかったらしく、そして新羅もいなかった為、ずっと2人でいたらしい。
ちなみに、門田からは連絡があったが、新羅においては何にも連絡が無かったため、
「もしかしたら来るかもしれないし・・・」みたいな事を2人それぞれ思ったのか、他の場所に行く気は無かったらしい。
で、やはり空腹には勝てないのか(午前中散々暴れまわったせいもあるだろう)、横並びになって無言で昼食を取るというなんともいえない昼休みを過ごしていたという。
「で、食べ終わって、ボーっとしてたら、臨也が寄りかかってきたんだ?」
「・・・・おう。」
あー、そういえば最近ロクに寝てないってぼやいてたっけなぁ。・・・・あえて理由は聞かなかったけど。
にしても、静雄もよく耐えてたな~・・・ってあれ。何かなその顔。僕見たこと無いけど。そんな穏やかな感じの顔で臨也を見る静雄なんて。
・・・・・・・・・・・・・・・・ふーん?
キーンコーンカーンコーン・・・
「あ、予鈴だ。・・・・・・・・・・じゃ、静雄。僕はこれで」
「あ!?オイ、待て!どーすんだよコイツ!!」
「臨也さぁ、この所あんまり寝てなかったみたいだから寝かせといてあげなよ。」
「なっ、ざけんな!俺もこのままになんじゃねえか!」
「・・・・臨也、今両親海外出張中でいないから、きっと妹の世話とか大変なんだろうな・・・」
「ぐっ・・・・・・・チッ」
「じゃ、あとでノート見せてあげるからね~。」
「・・・・・・・・・・・・・・・オゥ。」
うんうん、静雄のその優しい所は本当に素晴らしいと思うよ。まぁ、実際?大変かどうかは僕は知らないけどね?
だって、起こしたらまた戦争起きそうだもんね~。1日くらい平穏に暮らしたいじゃない。
と、そう思いながら新羅はうきうきと教室に戻っていった。
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