12/18
Sat
2010
「別れようか、シズちゃん。」
予想は、してた。
俺は、臨也にそこまでの事をしたのだから。
けど、
「嫌だ。」
これしか返せないなんて、俺自身子供じゃあるまいし、と呆れた。
でもそれは、今の俺の本心だった。
「あの時は・・・いや、最近は、だよな。お前を蔑ろにして悪いと思ってる。本気で後悔した。いや、今だってしてる。お前がそういうのも仕方ないと思ってる。でも俺は、」
「シズちゃんはさ、勘違いしてたんだよ」
俺を遮って話しだした臨也の口調はいつもと変わらない。
だけど、その顔は俯いてて、よく見えない。
「シズちゃんは、俺のことなんて元々好きじゃなかったんだよ。シズちゃんは一人が寂しくて、誰かに構って欲しかっただけ。・・・・・別に誰でも良かったんだよ。たまたま近くに俺がいたってだけ。」
「なっ!そんなわけ、」
「だから、シズちゃんは勘違いしてるだけなんだって。君は今とても充実してるだろう?君の話を聞いてくれる、君の事を理解してくれる人があんなに増えた。だから俺はもう用無しってワケ。そう考えると辻褄が合うだろう?」
「な、んだよ、辻褄って。」
「そうじゃなきゃ、恋人を急にあんな扱いしない、って事さ。」
「っ!」
そう言われ、俺は何も返せなかった。
違う、そんなことない、と言いたかった。でも臨也の話を否定できなくて。
俺の周りに人が増えたのも、・・・・それで臨也を蔑ろにしたのも事実だったから。
・・・俺は、
「だからね、シズちゃん。」
俺は本当に、
「もう、恋人『ごっこ』は今日で終わりにしよう?」
臨也の事が、
「今の君に、俺はもう必要無いんだから。」
本気で好きじゃなかったのか?