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08/07

Sun

2011

わっしょい10万!①


嶺蓮さんに捧げます!

とある放課後の話』の続編





「あれっ、新羅。まだ帰ってなかったの?」
「ああ、うん。さっきまで委員会だったんだ。臨也は、・・・・あー、いい。大体分かった。」
「あっそう。まったく、早く死んでくれないかな、あの化け物!」
「まだ言ってるのかい、それ。・・・・ねえ、臨也に聞きたい事があるんだけど。」
「何?」

「あのさ、臨也は静雄の事が好きなの?」



誰かと待ち合わせしてるわけでも、追われてるわけでもないのに、急いで屋上へ上がる。
扉を開け、屋上に足を踏み入れる。大して風も無いのに、そこはとても涼しく感じた。

フェンスまで歩き、そこでようやく一息ついた。

「はー・・・まったく何考えてんの、新羅の奴!」

さっき新羅と話した内容を思い出す。と同時にどんどん上がっていく熱。
俺が?シズちゃんを?好き?
あ、ああり、ありえない。そんなの絶対ありえない!!
なんで俺があんな化け物を好きにならなきゃいけないんだ。
大体、あんなたかが3つの質問だけで好きとか、どう考えても安直すぎる。
しばらくここで涼むのも兼ねて(ちなみにこれは恥ずかしさからじゃなく、さっきまで走り回っていたからだと一応言っておく)、せっかく屋上に来たんだから、大好きな人間の観察でもしよう。
そう、思った時だった。

ガチャ

夕方の学校は、様々な部活の活動の音で、昼間とはまた違う騒がしさがある。
が、屋上にはその騒がしさは届かない。
その為、扉の音でさえとてもよく響いた。

「し、ずちゃん・・・」
「・・・・・・・・おう」

すぐさま顔を外の景色の方へ戻す。
出来れば、今誰にも会いたく無かったのに。それもよりもよってシズちゃんがくるとか今日はついてないのだろうか。
足音と、気配が近付くにつれ、段々だんだん大好きな人間達が、見えなくなっていく。
それが隣に来た時にはもう、自分の足元しか見れなかった。

「・・・何。殴りに来たの」
「別に、そんな気分じゃねえし。手前こそそう思うなら逃げればいいだろ。」
「うーん・・・・今、そんな気分じゃないから。」
「そうかよ」

逃げなければ。それは入ってきた時から、分かっていた。
分かってる、のに、足が動かない。
恐怖?羞恥?何故だかはよく分からないが、それらでは無いと自分でも分かっていた。

「・・・・なあ、手前に聞きてえ事あんだけど。」
「え・・・えー?俺早く帰りたいんだけど。さっさと済ませてよね。」
「うるせえ。5個ぐらいすぐ済む。」
「は!?ごっ・・・多いよ!」

普通こういう時って、1つぐらいなんじゃないだろうか。
もしそれ以上あったとしても、普通明確に数なんて言わない。
ああ、そういえば普通じゃなかったっけシズちゃんは。

「うるせえいいから答えろ。まず1つな。その・・・朝も昼も夜も、24時間1人の事考えた事あるか?」
「なっ・・・!?何その質、」
「答えろよ。」
「っ・・・・ある、よ。」

新羅と同じ質問をされてついシズちゃんの方を見る。本当は答えたくなかった。正直な事なんて言いたくなかった。
けど、あまりにもシズちゃんの目が真剣そのもので、何故だか、嘘なんてつけなかった。
だけど正直に話してると思われるのがなぜか癪に感じて、すぐに目を逸らすように俯いた。

「じゃあ2つ目。そいつの笑った顔って忘れられない?」
「・・・そう、だね。・・・・・近くでは見た事無いけど・・・」

よくよく考えたら、この質問は新羅の時と違って、『その人』が限定されていない。
ならば、それは誰でもいいわけだ。家族だろうが、新羅だろうが、ドタチンだろうが、人間だろうが。

「じゃあ・・・そいつが手前以外の奴を気にしてたり、手前の居ない所で楽しくやってると思うとどう思う?」
「す、ごく・・・・腹が立つね・・・」

なのに、

「そうか・・・じゃあ、4つ目な。その・・・
 そいつを見つけたり、話したり、・・・・追いかけられたりしたら嬉しかったり、逆にそいつが手前に興味をなくすと、悲しいか?」
「それは・・・よく分かんない。けど、」

どうして、

「ずっと、俺だけ見てたらいいのに・・・・って、思ったり、する・・・」


どうして、シズちゃんの事しか考えられないんだろう?


「・・・なあ、臨也。」
「っ!?」

不意にフェンスにかけてた右手に、温かい感触。
顔を上げると、それはシズちゃんの手で。
さらに顔を上げて、横を向けば、シズちゃんがさっきと変らずに、真剣な顔で、俺を見ていた。

「な、に」
「最後の質問な。その・・・・・・・・・期待しても、いいのか?」
「・・・・・・っ!!」

急に、湧き上がる、熱。
それは、教室にいた時と、今さっきまでとは比にならないくらい、熱い。
恥ずかしいのに、今度は目がそらせない。

シズちゃんの目から
自分の気持ちから

「あのさ、臨也は静雄の事が、」


「・・・・・そんな事言ったら、俺も、期待、しちゃうよ?」
「!」

俺の、本当の気持ちは─────




まさかの告白未遂で終わるという・・・
趣味丸出しですいません、私、来神時代は付き合う1歩手前の甘酸っぺえ静臨が好きなんです。><;
嶺蓮さん、こんな感じでよろしかったでしょうか・・・?
リテイクは24時間受け付けておりますので!
リクエストありがとうございました!

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