臨也が、研究者や国から狙われている静雄を守るためにマフィア系に自身を売った事を、
新羅か帝人辺りに聞き、臨也奪還の為に静雄が頑張る話
ようやく完結!
別に見返りを求めてしたわけじゃない。ただの、自己満足。
それならばいっその事、聞いてみた方が良かったのかな。
君の、気持ちを。
なんで?
目の前で起こった出来事に誰もがそう思うだろう。
けど、俺の場合、その内容が他人と違った。
なんで自販機なんかが飛んできたのか、じゃない。
なんで、
なんでシズちゃんが此処にいるの・・・・?
飛んできた自販機によって俺が乗るはずだった目の前の車は見事に無残な姿になり、誰一人乗ることが不可能な状態になってしまった。
自販機が飛ぶなんて、池袋では日常茶飯事だが、俺を連れて行こうとした奴等は初めてその場を見て怖くなったのか、「あの噂、マジだったのかよ・・・ッ」と言いながら逃げるように俺を放って去って行った。
百聞は一見にしかず、っていうんだっけこういうの。
あまりにも突然すぎて、一瞬変に冷静になってそんな諺を思いついたが、
「おい。」
彼の声で一気に現実に戻された。
ああ、しまった。「最後」という言葉に甘えて、喧嘩なんか仕掛けるんじゃなかった。
自分の事ばかりで、彼の化け物並みの嗅覚をすっかり甘く見ていた。
どうしよう、このままではあの組織との契約が破棄されてしまう。
早くこの場を適当に流して、組織と連絡を取らなければ。
「・・・・ちょっとシズちゃんさあ、いい加減にしてよ。人の仕事の邪魔するとか何考えてるの?っていうか、他人の車に自販機ぶつけるとかホントありえない。っていうか、これが原因で向こうがもう相手してくれなくなったらどうしてくれんの?」
もう俺一人の力じゃ君を守ることは出来ないんだよ?
なんて、流石に言わないけど。
シズちゃんは走って来たのだろうか、息が荒い気がする。
気がする、というのはここに来てからまだシズちゃんの顔を見ていないからだ。
・・・・見たらきっと何もかも崩れてしまいそうだったから。
きっといつものように、「手前の仕事なんてどうなろうが俺には関係無え。さっさとぶん殴らせろ。そして死ね。」とか言ってくるんだろうな。そしたら、どう切り返して、どう逃げようかな。
「手前の仕事なんて、どうなろうが俺には関係無え。」
ほら、やっぱり。どうしようかな、ナイフまだあったかな。
そう思って確認しようとコートの内ポケに入れようとしたその手を、シズちゃんに掴まれた。
「あと、俺の前から勝手にいなくなるのは許さねえ。」
そう言って、俺の手を掴んだ。
・・・・・・・・・まさか、彼は、シズちゃんは、知ってる?
「・・・・・か、勝手にいなくなるな、って、いつも俺は君から逃げて、最終的には君の前から姿を消してるだろう?」
「ちっ・・・!そういう意味じゃねえよ!だから・・・・その、新羅から話は聞いた。」
「!!へ、え。新羅から何の話?俺がまた何かやらかそうとしてるって?」
「・・・頭良い手前なら、いい加減分かんだろ。俺がどんな話を聞いたのか。」
「・・・・・・・」
「手前が、どういう目的でそんな取引をしたのかは知らねえ。けど、俺の前からいなくなるような事言うなよ・・・つうかすんなよ!・・・頼むから・・・今まで通りでいろよ・・・」
さっきの衝撃で、夢を見てるのかな、なんて思った。
だってあのシズちゃんが俺に『頼む』なんて、ううん、そんな事より、そんな俺に都合のいい事を言ってくるなんて
「・・・・・話、聞いてるなら分かるだろ。俺がいかなきゃ、シズちゃんずっとこのままだよ。」
「なら今まで通り相手をぶっ潰せばいいんだろ。」
「せっかく、普通の人間みたいに・・・・周りに人が増えたのに、もしかしたらまたいなくなっちゃうかもよ。」
「周りには迷惑かけないようにすればいいんだろ。」
「・・・口でいうのは簡単だけど、いざ行動するとなると無理が」
「無理じゃねえ。そんなのやってみなきゃ分かんねえだろ。つうか、
手前が、臨也が俺の隣にずっといるなら、俺はどんな事だってしてやる。」
そんな事をシズちゃんが、真面目な顔で俺に言うなんて、やっぱり夢だろう?
でも掴まれた手の温かさとか、自分の涙の冷たさとか、すごくリアルで。
俺は、その言葉を本当に信じてもいいのかな。
「うん・・・・お、れも、シズちゃんの隣にずっといれるように、頑張る。」
「おう。」
今度は、これからは、
君の為とか俺の為じゃなくて、
君の隣に居る為に、俺は頑張るよ。
静雄がそんなに活躍してなくてすいませんん!!
個人的に組織に身を売る→アッー!な展開なんて考えたんのですが、そんなスキル私もっていませんでした・・・・ちくしょう!
そして相変わらず乙女臨也ですいません・・・
あっ、リテイクは常時受け付け中ですから!
本ッ当お待たせさせてすいませんでした!!
リクエストありがとうございました!!
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