08/06
Fri
2010
俺は酔っていた。
新しい世界に酔っていたんだ。
何でも聞いてくれる親友。
信頼してくれる先輩。
慕ってくれる後輩。
懐いてくれる子供。
それは俺の人生で今までになかった世界で。
同時に、
一生得ることの無いだろうと思っていた世界だったから。
その世界に自分がいることが、単純に、嬉しかった。
だから、忘れてしまった。
目の前に出来た新しい世界に気をとられて、
それが、当たり前と思ってしまった。
『ちょっとシズちゃん!今どこにいるの!?どんだけ人を待たせるワケ?』
「あー・・・悪ぃけど、まだ仕事終わらなくてよ。で、たぶんもうしばらくかかるからそっち行けねえわ。」
『・・・・はああ!?当日に、しかも時間過ぎてからキャンセルとかありえないんですけど!っていうか今日
「だからまだ仕事が終わんねえんだよ!しょうがねえだろがこればっかりは!!・・・・それに別に今日会えなくてもいつでも会えるだろうが。」
『・・・・・・も
「先輩、トムさんが呼んでます。」
「おう、今行く。じゃあな、臨也。あんま我侭言うなよ。」
臨也は何も言わなくても、何もしなくても、ずっと隣にいると思ってた。
分かってくれると思ってた。
そんな訳無いのに。あいつだって人間なんだから、何も無かったら不安になるのに。
だけど、その時の俺は何も気づいてなかった。気づいてやらなかった。
だから、臨也の最後に言いかけた言葉にも耳を傾けなかった。
『……もういい。もう終わりにしよう』
それさえ聞いてたら、まだ隣にいてくれたかもしれないのに
いや、まだ続くような感じにしてどーすんの。←
「やべえ、このままじゃ静雄悪者だ!」と思って続き書いたら結果悪者になりました。(ダメじゃん)