07/19
Tue
2011
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「兄さんはここでバーテンダーをやってるんですよ。」
って幽君に教えてもらったら、
「いらっしゃ・・・臨也、お前、」
「えへ、来ちゃった☆」
行くしかないよね!
「何しに来たんだよ・・・」
「なに~?恋人の俺に見られたくないヤマシイ事でもあるわけ~?」
「そうじゃねえよ。・・・ここ結構治安悪ぃから、あんまり来てほしく無かったんだよ。」
「ふ、ふーん・・・ま、まあそれぐらいの気遣い、恋人にそれも有名人の俺にするのは常識だよね!
だ、だから別に嬉しいとか思ってなむぐっ!?」
「ばっか!デケエ声で自分の正体バラすな!誰か聞いてたらどうする!」
「ぷは、ご、ごめん・・・ありがと。」
そう、俺、折原臨也は自分で言うのもアレだけど、今をときめく売れっ子モデルだ。
そんな俺が一般人のシズちゃんに出会ったのは、幽君に紹介してもらったのが始まり。
そこからまあ、色々あって今は恋人同士という位置にいる。
「それにしてもよく分かったねぇ~俺の事。あれ、もしかして自分が思ってたより分かりやすい?」
「・・・・・・さぁな。」
「えー、幽君は良いって、男だって分からないって言ってくれたのになあ~。・・・お世辞だったのかな。俺そんなに女装似合わない?」
「・・・・・・幽に見せたのか?」
「え?うん、っていうかこれ用意してくれたの幽君だし。変装するなら性別誤魔化すのが良いんじゃないかって。」
「幽以外には?」
「?見せてないけど?」
「そうか。じゃあこれからは俺以外に見せるなよ。もちろん幽にもだ。いいな?」
「・・・・・・わかった。」
なにさなにさ!そんな遠回しに言わないで、ストレートに似合わないって言えばいいだろ!
さすがの俺でも、いくらウィッグ着けても、スカート似合わないって、自分でも、わかってる、し。
「平和島さぁ~ん!まぁた来ちゃった♪」
微妙に気まずくなったこっちの空気読まずに(まあ外にいたんだから読むなんて無理なんだけど)店に入ってきたのはキャバ孃的なケバい女共。
「いつも来ていただいてありがとうございます。」
「キャーッ!本当カッコいい!」
「すっごいイケメン!」
「でっしょー!でもダメよ~私が先にツバつけたんだから!」
しかも明らかに頭悪そう・・・完璧俺の嫌いなタイプ。
ってかツバも何もそもそもシズちゃんの恋人は俺だっつーの!
「ユミさんはいつものでいいですか?」
「うん、お願い!」
そりゃ、シズちゃんは俺が好きなカクテルなんて教えてないから知らないし、
「えー、私何にしようかな~」
「あっ、じゃあこれにしたら?これ平和島さんの得意なやつだから!ね?」
「えぇ、まあ。」
シズちゃんが得意なカクテルも知らないし、
「ねぇねぇ平和島さん!この衣装、今日新調したんたけど、どう?」
「よく、お似合いですよ。」
「キャーッ!嬉しい!ありがとう!」
どんな衣装着てもシズちゃんに誉められたことないし、
スカート似合わないし、
・・・・・・・・・・・・男だし。
ああ、なんかもう帰りたい。帰ろうかな。よし、もう帰ろう。
「あの、お、・・・私もう帰るんで、お代ここに、」
「帰るのか?分かった。トムさん、すいませんが俺も今日はこれで失礼します。」
「え?へっ?」
「オラ、帰るぞ。」
失礼、って
帰るぞ、って
「一緒に帰ってくれるの?」
「は?当たり前だろーが。さっきここら辺治安悪ぃって言ったの忘れたのか?」
「忘れてないけど、でも」
「ちょっと平和島さん!?誰よその子!?」
あのお客さん達いいの?と俺が言う前に向こうからしゃしゃり出てきた。
正直、かなりムカつくけど、客は客。
客の機嫌を損なうなんて接客業として
「ああ、こいつは俺の恋人です。」
さい、あく・・・え?
「可愛くて、綺麗で、いつでもどんな衣装も似合う、俺の大事な恋人です。」
「「「・・・・・・・・・」」」
「では、失礼します。」
そう言ってシズちゃんは俺をの手を握って店から出た。
扉を閉めた途端、店内から聞こえてきたのはあいつ等の怒号。
「い、いいの?シズちゃん。」
「何が?ああ、そうだな、後で電話でもトムさんに謝らなくちゃな。」
「いやそうじゃなくて、いやそれもあるけど・・・」
「?何だよ、手前の恋人を他人に紹介すんのって悪い事か?」
「・・・っ、そんなこと無い、けど。」
悪いどころか嬉しいけど!
っていうかむしろ恥ずかしいけど!
「でっ、でも!大事な常連さんにあの態度は・・・」
「手前の安否より大事なモンなんてあるかよ。」
「~~~っ!!」
もうやだ、死にそう。
「だから、これからは店来る時は事前に俺に連絡しろよ・・・おい、聞いてんのか!?こっち見ろ!」
「聞いてる!聞いてるけどそっちは見ない!」
「あぁ!?」
あんなの、取材とかの仕事で聞き慣馴れてるし、
イベントとかある時はボディーガードとか付くから守られ馴れてる、のに、
なんで、それがシズちゃんに変わっただけでこんなにも恥ずかしくなるのさ!
・・・もうこうなったら、
「・・・シズちゃん、俺来週また来てもいい?」
「ああ、構わねえぞ。その日また連絡しろよ。迎えに行くから。」
「うん、ありがとう!」
フフン!来週、覚悟しなよシズちゃん!
目には目を、歯には歯を、ってね!
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ついった診断何にも生かされてねーな!!
全てにおいて知識ナッシングですいませ・・・!
こんばんわ^^