07/15
Thu
2010
人が滅多に通らない路地裏。そこが俺とコイツが月に一度会う場所だ。
それは静雄と仕事をする前からしていたことだったから、静雄と再会する前からコイツの事は知っていた。
情報屋として、そして、
「はい、これ言われた奴等のリストね。」
「おう、サンキュ。いつも悪いな。」
「別に。俺も依頼されてやってる訳だし。てゆうか、そう思うんだったらリスト減らしてよ。段々増えてきてるんだけど?」
「いやー、そうしたいのは山々なんだが、こっちは人手不足、のわりにはこういう輩は増えるわでしょうがねえんだよな。」
「えー、何、あの喧嘩人形役に立ってないの?何のためのバカ力だよ。」
「そんな事ねえよ。静雄がいることで、俺は大分助かってるんだ。ま、そんな厳しいこと言わずにこれからも頼むわ」
あ、しまった。
最近・・・といっても会うのは月イチだが、わかった事がある。
こいつは(言ったら絶対怒るだろうが)静雄と一緒で結構分かりやすく、感情が表情に出やすい。
で、分かった事は、俺が静雄のことを話し出したり褒めたりすると、眉間に皺がよる。
だけど頭を撫でればそれもすぐになくなる。意外と単純な奴だ。
「・・・まあ、トムさんが言うならしょうがないけど。ねえ、この事シズちゃん知ってるの?」
「この事って?」
「だから、俺がシズちゃんがいる会社に雇われてる・・・っていうか、ぶっちゃけ俺とトムさんがこうして会ってるって事。」
「ああ、知らねえけど?別にわざわざ教える必要も無えだろうしな。ま、教えてもこれに関しては助けてもらってる立場だし、怒り狂わねえだろうよ・・・たぶん。」
「・・・ふーん。ずいぶんシズちゃんの事信頼してるんだね!」
「つうか、」
「?」
「目の前に俺がいるのに他の男の話なんか出すんじゃねえよ。」
お前と同じように俺だってお前の口から他の男の話聞くの好きじゃねえんだよ。
と、言うのもなんかめんどくさかったから思い切りキスをしてやった。