09/27
Mon
2010
理由は、なんとなく。
なんとなくで仕掛けた。
「お前、臨也に近づくなってあれほど言っただろうが。その内、絶対ロクな事になんねえぞ。」
「あは、静雄さんってばやっぱり優しい人ですね。」
「なっ、俺は別に、」
「でもね、静雄さん。俺最近気づいたんですよ。俺結構見る目があるなーって。」
「・・・・そういう事って自分で言わねえもんだろ。」
「まあ、ね。でも実際そうなんです。俺、つい最近池袋(ココ)に越してきたんですけど、この数日で色んな噂を知りました。ダラーズ、黄巾族、切り裂き魔に首無しライダー。もちろん静雄さん、・・・臨也さんの事もね。」
「・・・・・・・・」
静雄さんは黙って俺の話を聞いてくれた。とりあえず、話聞くぐらいは信頼されてるみたいだ。
「で、幸か不幸か、いや、今のところ不幸はないですね。知り合いも結構増えて、その中には噂の的だった人もいたりして。」
「・・・でその的の一人が俺か。」
「そうです。それでね、思ったんです。案外噂なんて、他人の忠告なんて当てにならないなあって。・・・・特に静雄さんと知り合いになってそう思ったんですよ。」
「!」
「あはは、静雄さん照れてますね?」
「うっせえ!」
「・・・だからね、臨也さんも自分の目で、自分自身でどんな人か確かめてみようと思って。」
にっこり、と笑顔でそう言った。
静雄さんは少し目を見開き、タバコをゆっくり吸い、ゆっくり煙を吐いた。
「そうか・・・お前は素直だし、こんな俺に絆創膏くれたりとか、話し聞いてくれたり、そう言ってくれたりとかして、俺は結構そんなお前の事気に入ってるからよ、・・・・もう少し噛み砕いて言ってやるよ。」
そう言うと途端に目つきが、雰囲気が、変わった。
無題