06/30
Wed
2010
「え・・・・?」
一瞬、何を言っているのかわからなかった。
だって、そんなこと言うなんて微塵も思ってなかったから。
新羅が、そんなこと言うなんて。
俺は新羅に甘えていた。
他の誰も知らない、新羅だけが、俺の事全部知っていたから。
俺がずっとシズちゃんを好きだったことも。
シズちゃんと付き合ってるってことも。
今の現状に不安を感じてることも。
それでも
シズちゃんが好きでどうしようもないことも。
全部、知ってる。だから甘えてた。
一方的な愚痴も全部聞いてくれて、そして最後に新羅の「大丈夫だよ」って言葉に何度も救われてた。
なのに、今日は違った。
ダメだよ、新羅。俺、君の「大丈夫だよ」って言葉を聞かないと、
「ど、してそんな事急に言い出すの」
「俺はね、臨也。臨也が幸せなら別に何しても構わないと思ってるよ。例え他人から『外道』と呼ばれることをやってのけても、臨也が満足してるなら止めるつもりは無いし、ましてや、それで嫌いになるつもりもない。・・・静雄と付き合ってる事も、同じだ。臨也が幸せならそれで良かった。けど、」
やめて、言わないで
「今の臨也は、本当に、幸せ?」
「幸せだよ」
って笑顔で言いたい。けど今の俺は言えない。
ねえ、新羅。
その言葉が聞きたいなら言ってよ。君がいつも通りにそれを言えば全て丸く収まるんだから。
俺、まだシズちゃんを好きでいたいんだよ。
お願いだよ、新羅。
いつもみたいに「大丈夫だよ」って言ってよ