うおおお、超お久しぶりです凪助ですこんばんは!!
わっしょい静雄の日!って張り切ったはいいものの、過ぎちゃったから時間操作しちゃったぜゲヘヘ!(下品)
臨也さんお誕生日は絶対、絶対間に合わせるんだ・・・・!!頑張る!
拍手ありがとうございますー!励みになります!!
「シズちゃん」と呼ばれなくなって、もうどれぐらい経つのだろうか。
「あの・・・静雄?さん?俺、散歩に行きたいんだけど・・・・」
「ああ、わかった。じゃあこれ着ろ。」
「えっ、こんなに暖かいのに?」
「馬鹿。そりゃ部屋にいるからだ。4月とはいえそんな薄着じゃ寒ィに決まってんだろ。」
「あっ・・・・うぅ、し、知ってた!知ってたし!」
「はいはい。」
臨也は、記憶をする事をやめた。
やめた、と言ってもそれは故意にした事ではない。この間の年末に交通事故にあったのが原因だ。
目が覚めた臨也は、常識的な事以外、つまり俺も含めて周りにいた人間の事を何1つ覚えていなかった。
さらに新羅に、臨也の記憶は1日しか持たないと言われた。
何年の付き合いだとか、何年殺し合ってきただとか、そんなの一切関係なく、臨也にとって俺達は『はじめまして』の人になると。
つまり臨也にとって、俺は『恋人』から『ただの人間』に成り下がったのだ。
「ん~~!やっぱり4月は暖かいね~。」
「そうだな。」
臨也のケガが治ってから、俺は臨也と一緒に住む事にした。
もちろん新羅や、セルティに止められた。どんなに頑張ってももう無駄なんだ、どんなに頑張っても、俺が傷つくだけだと。
でも俺は臨也といる事を選んだ。それでも一緒にいたかった。
「あーあ、桜見たかったけど、遅かったか・・・もう葉桜になってる」
「・・・・そうだな。」
本当は1週間前に、2人で満開の桜見たんだぞ、なんて言えるわけが無かった。
前に1回だけ、うっかり「前にもあっただろ?」なんて気易く言ってしまった事があった。
それを聞いた臨也はひどく傷ついた顔をして、その日は1日中臨也は部屋にこもってしまった。
そりゃあ当然次の日にはすっかり忘れて笑顔で「初めまして、よろしく」なんて言ってたけど。
忘れると知っていても、臨也のあんな顔はもう見たくなかった。
ぐう
「あっ・・・・・・何、その顔。」
「ぷっ・・・・・悪い。っくく・・・」
「っもー!笑うなら下手に隠さないで正直に笑えばいいじゃん!」
「ぶっくく・・・・そ、そんなはっきり腹の音なる奴初めて見たからよ・・・」
「ちょっと!本当に笑うとか失礼じゃない!?」
「笑っていいって言ったじゃねえか。」
「言ったけど!言ったけど本当に笑うとか・・・・!」
こんな会話してると、忘れそうになる。
事故ったなんて、嘘だったんじゃないかって、思う。
・・・まあ、すぐに現実に引き戻されるけど。
「そういえば、もう昼だな。そろそろ家帰って、昼飯食おうぜ。」
「そうだよ!もうお昼の時間だよね!帰ろ、『静雄さん』!」
この一言で、戻される。まあ仕方のない事だけど。
いまだに、この一言が少しつらい。
「あっ、静雄さん!ちょっとここで待ってて!」
「あ?どこ行くつもりだ?」
「大丈夫!すぐそこの花屋だから!!」
「花屋?」
そう言って、臨也は嬉しそうに花屋に駆け込んでいった。
花屋・・・・そういえば、前にもこんな事があったなあ。
「はい、シーズちゃん!プレゼントフォーユー♪」
「ウゼエ。・・・ってあ、何だこれ花束?」
「あっは!シズちゃん、小さい花束似合わないねえ!俺が思った通りだ!!」
「テッメ、俺に喧嘩売る為にわざわざこんなの買ったのかあ゛ぁ!?」
「失礼な、違いますー。花束あげたのは──────
・・・ああダメだ。ほんの些細な行動でも、思い出してしまう。
昔の出来事を、昔の臨也を思い出してしまう。
分かってるんだ。昔の臨也を思い出すって事は臨也と俺自身を苦しめるって分かってるんだ。
臨也から離れた方が、きっとお互い楽になるって分かってるんだ。
それでも・・・・
「静雄さん!」
「!お、おう、何買ったんだ?」
「へへ、はいっ、静雄さん!プレゼントフォーユー♪」
「!!」
まさか、そんな
「な、んだよ、急に」
「えーと、突発的に思いついたんですけど、ほら!今日4月20日でシ・ズ・オって読めるじゃない?それってなんかおめでたいなーって」
「今日はシ・ズ・オで静雄の日だよシズちゃん!おめでたくない?」
「はぁ?んだそれ、くだらねえ。」
「くだらなくないですー!おめでたい日が多いのは素晴らしい事なんだよシズちゃん!しょうがないなあ、じゃあこれから毎年、この素敵で無敵な情報屋さんが花束送ってお祝いしてあげよう!」
「ワーアリガトー」
「ちょっと!もっと感情こめて言って!もっと感謝して!!」
分かってる。こいつは何にも覚えてないって。今日、たまたま、思いついた事だって。
それでも、
「!?えっ、ちょっ、静雄さん!?どうしたの!?」
「あ?」
「あ、じゃないよ!何で泣いてるの!?えっ、もしかして花ダメだったとか・・・・うわー!ごめんなさい!」
「ぷっ、バーカ違えよ。これは・・・・・ただの嬉し涙だ。余計な心配すんな。」
「なんだ、良かった・・・にしてもこれで泣くなんて、結構感動屋さんなんだね。」
「うっせ。さ、そろそろマジで帰んぞ。あれ以上の臨也君の腹の虫の音聞きたくねえし。」
「だから!もうそれやめってってば!」
ああ、やっぱりダメだ。俺からは離れなれない。嫌いになれない。
臨也を楽にしてやれない。
だから、どうか
どうか明日こそ、臨也に嫌われてますように。
静雄の日に何この謎のシリアス。
臨也にメロメロな静雄さんが好きなんだ・・・・
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