10/02
Sat
2010
歯車が狂ったのはいつからなんだろう。
『手前が、好きだ。』
シズちゃんに、告白された。死ぬほど嬉しかった。だって、そんなの、ありえないって、ずっと思っていたから。
────正直、その時から不安はあった。
だって、どうして。
シズちゃんは、どこを、なにを、どうして、
俺なんかをどうして好きになったのかまったくわからなくて。
それは今でも思っていて、でも本人に聞けなかった。───1つの可能性を、思いついてしまったから。
それが本当だったら。それがきっかけで別れるとかになったら。
そう思うと聞けなかった。怖くて聞けなかった。
でも新羅にあんな事言われて、それを否定したくて、・・・違う、否定してほしくて、シズちゃんにぶつけてみようと思った。・・・新羅の真意に後々気づいたのはすこし癪だったけど、きっかけを作ってくれたことにむしろ感謝した。
でも、シズちゃんは中々来なくて。今日は早く来てほしくて電話をした。
でも返ってきた返事は明らかに約束を忘れてたっぽくて。
どうしよう。どんどん、どんどんその可能性が大きくなる。頭を占める。
『それに別に今日会えなくてもいつでも会えるだろうが。』
嘘。だってそのいつでもっていつ?今日会うの1ヶ月ぶりなんだよ?
それともシズちゃんはやっぱり会えなくても平気なの?
『終わりにしよう』って言おうと思ったのはその場の勢いだった。子供じみたいい訳だけど、少しでもこっちを見てほしかった。
でも
「・・・・・・も
『先輩、トムさんが呼んでます。』
『おう、今行く。じゃあな、臨也。あんま我侭言うなよ。』
ああ、やっぱり。
決定打、だと思った。
もうそれしか考えられなかった。